医療法人明心会
理事長 舟橋 利彦
時代のニーズを先取りしながら、
こころと身体をケアする医療体系を確立
1984年4月1日、私は大学院3年次になったと同時に、名古屋市中区金山に、仁大クリニックを開設しました。当時、名古屋市内には5つの精神科診療所しかなく、先駆けともいえる試みでした。大学院生としての研究、大学病院での臨床、仁大クリニックの運営と、三足のわらじを履く多忙な日々。平日午前中の診療だけでは通えない患者さまのことを考え、日曜日も診療を行っていました。
クリニックを運営しながら強く感じたのは、精神科医療は外来(通院)だけでは不十分で、患者さまによっては入院加療も必要であるということ。そこで1988年9月1日、豊田市猿投町に精神科医療を専門とする仁大病院を開設しました。精神科病棟は「隔離」が主流の時代でしたが、患者さまのニーズに合った治療を模索し続けました。
1990年代半ばに入るとノーマライゼーションの波が到来し、「社会復帰促進」が精神科医療の根幹となっていきました。そこで仁大病院に作業療法棟を開設、デイケアを中心とする仁大駅前クリニック(豊田市駅前)を新たに開設しました。2002年、仁大病院に新病棟を建て、ストレスケア病棟、認知症病棟という専門性を打ち出しました。
2000年代に入り、うつ病患者や休職者の増加が社会的に問題視されるようになりました。そこで2007年2月、名古屋駅と直結したルーセントタワーにルーセントジェイズクリニックを開院しました。まだリワークセンターが一般的ではない時代でしたが、必ず必要になるという確信のもと、リワークセンターをクリニックに併設し、手探りでリワークプログラムもスタートさせました。その5カ月後には、仁大駅前クリニックも既存のデイケアにリワークセンターを併設しました。
このストレス社会において、医療法人明心会グループはストレスケア病棟、認知症病棟、うつ病のデイケア、リワークセンターと、それぞれ連携させながら患者さまのニーズに合わせた医療を提供し、心身ともに健康に過ごせる日常生活を応援していきたいと考えています。
- [資格・所属]
- 精神保健指定医
- (社)日本精神神経学会 精神科専門医
- (社)日本精神神経学会 研修施設指導医
- (社)日本精神神経学会 代議員
- (社)愛知県精神科病院協会 会長
- 日本医師会認定産業医
- 愛知県精神科医会 理事
- 愛知県精神保健福祉協会 副会長
- 愛知県地方精神保健福祉審議会委員
- 藤田医科大学医学部 客員教授
- 厚生労働省 東海北陸厚生局 保健指導医
- 愛知県社会保険診療報酬支払基金 主任審査委員
- 第113回日本精神神経学会学術総会 副会長
各施設の密接な連携により、こころの病(うつ病)の早期発見・早期治療、ストレスケア病棟における急性期治療、リワークセンターやデイケアにおける回復期治療、さらには職場復帰支援までトータルにサポートします。